労働者派遣法が与党賛成多数で成立


 労働者派遣法は、当初は専門的かつ限定的な業務に限られていましたが、法改正を重ね製造業にまで拡大され、日雇い派遣も可能になり、リーマンショックの時は「派遣切り」そして「派遣村」と社会問題にまでなりました。民主党政権下で、当時の野党(自民・公明)の強い反対の中、何とか合意形成を図り、派遣業法的性格が強くなったこの法律を労働者保護法へと転換を図りました。その中の一つである「労働契約申し込みみなし制度」は、この10月1日から施行される予定でしたが、民主・自民・公明の3党で合意したにもかかわらず、政権が変わった途端、施行されたばかりの派遣法の改悪を打ち出し、条文の不備などで2度の廃案を経て、今回施行日を「みなし制度」施行前の9月30日に修正しての強引な成立となりました。まさに、「みなし制度」で救済される派遣労働者の期待を裏切ったことになります。
 主な法案の問題点は、(1)派遣の期間制限を事実上撤廃し、これまで基本原則であった常用代替防止原則を有名無実化して、派遣の自由化に道を開き、正社員から派遣への置き換えと固定化を招く(2)雇用安定化措置義務は、抜け穴だらけで実効性がなく、派遣労働者の雇用が今まで以上に安定化することは到底期待できない(3)教育訓練提供義務も、キャリアアップや処遇改善を保障する規定になっておらず、かつ派遣労働者の権利として確保されていないため、実効性がない(4)派遣労働者の賃金アップも処遇改善も実現されず、不合理な労働条件格差も、職場差別も野放しのまま放置されるため、派遣への固定化だけが進む(5)専門26業務が一律に廃止され、3年後は契約打ち切りとなり、これまで派遣の中で、比較的、雇用が安定し、かつ処遇も良かった専門業務の皆さんが、かえって雇用の危機に瀕してしまうなどの点が指摘出来ます。参議院で、39項目に及ぶ附帯決議が付いたことはが、問題の多さを示しています。この法律は、派遣で働く7割以上の方たちも反対の声を上げられましたが、今後、一生派遣で低賃金、不安定雇用が固定化するなど、確実に雇用の質が劣化すると言えます。
 附帯決議は、民主党HPで見ることが出来ます。

 

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