文科省高校生副読本「健康な生活を送るために」問題


 春に閣議決定された「少子化社会対策大綱」の「学校教育段階において、妊娠・出産等に関する医学的・科学的に正しい知識を適切な教材に盛り込む」ことを受けて、9月から高等学校の保健体育の啓発教材、「健康な生活を送るために」の妊娠・出産のページが大幅改定され、妊娠のしやすさが年齢に関係していることなどが記載されるようになりました。いつの間にか、多くの反対で断念した「女性手帳」が形を変えて復活した感がありますが、何と、妊娠のしやすさと年齢の関係を示すグラフについて、加齢による妊娠しやすさの低下が、引用元として明記された論文よりも急激に落ち込む、誤った数値で掲載していたことが分かり、文科省は急遽差し替えを決定しました。
 ところが、その差し替え後のグラフでも、加齢によって低下する性交頻度の影響を除いていないため、女性の肉体的な妊娠しやすさとは大きく異なるグラフとなっていることが明らかになりました。元々の図のタイトルには「女性の妊娠のしやすさ」と表記され、詳しい意味は記載されず、グラフの横に「医学的に、女性にとって妊娠に適した時期は20代であり、30代から徐々に妊娠する力が下がり始め、一般に40歳を過ぎると妊娠は難しくなる」との説明文がついています。専門家は「誤解を招き、引用は不適切だ」と警鐘を鳴らしています。
 何故このように正確さを欠く記述やデータが用いられたのか、原因と責任の所在は明らかにされていませんが、あまりに杜撰な話です。その上、リプロダクティブ・ヘルス・ライツの考え方を読みとることは出来ず、問題です。

 

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